『ボクたちはみんな大人になれなかった』読了

燃え殻 著

小さく「ぐぉっ」と唸り声が出ること3回…。そしてなんだか読み進めたくなくなって、手を休めること3回。それでも手に取ってから数時間、あっという間に読み終えてしまいました。

燃え殻さんは俺より4歳若い。でも、俺とはずいぶん違っていた。音やカルチャーで言えば、同じなのはUAとジャミロクアイとくらいか。俺とずいぶん同じなのは、毎日フォローしてくれる誰かがいて、そのおかげでやってこれたことか。

『やつらの足音のバラード』は、ギャートルズの終わりの唄だったよね。タイトルは覚えているんだけど、メロディーが出てこない。

ところで、CAKEの連載と比べると、結構違いがあるんだな。

もともと全部読んでいたわけではないけど、本を読んでから無料で読めるWeb連載のアーカイブと比べると、かなり違うことが分かった。

https://cakes.mu/posts/12303

フレンズがAutomaticに。

いいねがEXILE等身大パネルからラフォーレのポスターに。

「将来さ」がダブルピースに。

「強がらなきゃやっていけない世の中」だっていう俺の中の「決め打ち」は、もう本当に要らないものなのかもしれない。…なんて、こんな風な書き方も強がりだな。

今、ほぼ日で感想文を募集中らしい。送ろうかな。

http://www.1101.com/moegara/index.html

以下、自分用メモ:

■ こうしている間にも、刻々と過去に仕上がっていく今日。達観した彼女の今日も、まだアップダウンを繰り返しているボクの今日も、先に続いているのは未来であって、過去じゃない。どんなに無様でも「大人の階段」は上にしか登れない。その踊り場でぼんやりとしているつもりだったボクも、手すりの間から下を覗いたら、ずいぶん高い場所まできていて、下の方は霞んで見えなかった

■ 美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会った時、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、ボクは幸せと呼びたい。

■ たぶん、手順を踏めば必ず近いものにたどり着くんじゃないかと思う」(…)もし手順通りできたとしても、たとえそれが失敗したとしても、問題はそれを誰と一緒に味わうかなんじゃないか

■ 生きていると言葉なんかじゃ救われない事ばかりだ。ただその時に寄り添ってくれる人がひとりいれば、言葉なんておしまいでいい

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私は燃え殻さんより4つ年上で、童貞を失うのは5年くらい早くて、サブカルよりもロックにハマって暮らしていました。燃え殻さんとは似てないですね。

でも、フリーターしながらバンドマン生活を送っていた頃、いつもすぐ近くにいてくれた「自分自身よりも好きな人」に将来が見えない怖さを慰めてもらいながら生きていたあたりは、なんだかちょっと似ているのかなって思っています。

あ、それから、周りよりちょっと要領よくて、それでどうにかこうにか形にしてきたあたりとかも? そして去っていった人たちを見返したいってどこか思ってきたあたりも? …これは小説の中だけの話かな。

わりとあっという間に読み終えてしまったのですが、それでも、中盤以降3回ほど、手を止めずに要られませんでした。感情がぐっと前に出てきて読み進められなくなったり、これ以上未読ページが減るのが嫌になったり。

『美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会った時、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、ボクは幸せと呼びたい。』 ― 喉の奥からグゥって音がして、近くにいた妻が不審げな顔で私を見たけど、気がつかない振りをして読み進めました。でも、すぐその後の『霞のかかった目的地は、いつまでも霞がかかったまま』のあたりで、ちょっとどうにもならなくて、開いたままの本を裏返して置きました。

自分がどんな顔をしているのか見当もつかなくて、顔を見られないようにとトイレへ向かいました。

なんだか少し気分が晴れない日がここ数日続いていて。

自分が「価値」だと思っていたことが、ただの独りよがりだったって気づいたり。強がりや自己弁護のためにあちこちで言い続けてきたことに、すっかり自分自身が信じ込まされているって改めて気づいたり。

ただなんか、読み終わったら、しばらくは自分自身に優しくしていてもいいような気分になれました。そして、不安を必死に隠し続けてきた私を「アナタ」と、街のあちこちでトレイントレインが流れていたあの頃から呼び続けてきてくれた人と、違う何かを探す旅に一緒に出てもいいかなって気持ちになってきました。

燃え殻さんありがとうございました。